李朝残影 梶山季之朝鮮小説集 ■梶山季之・インパクト出版会・2002年■ |
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梶山季之は1930年(昭和5年)、朝鮮・京城(現ソウル)に生まれた。父は朝鮮総督府の役人であり、小学・中学とソウルに暮らし、敗戦を迎えて広島へ引き揚げる。多感な少年時代を「植民者の息子」として朝鮮に暮らしたわけだが、その時期に支配者-被支配者の関係のなかで自覚的・無自覚的しろ生きてきてしまったことへの「負い目」「贖罪の意識」がその後の朝鮮モノ作品のテーマとなっている。金英順という妓生をモデルに「朝鮮の美しさ」を描こうとする日本人絵描き・野口良吉の「李朝残影」。創氏改名がもたらせた悲劇を描いた「族譜」。ともに日本人主人公が植民地支配者側という立場から逃げ出そうと抵抗を試みるが、結局は権力の一端を担わざるを得ない青年の苦悩が描かれる。 |