【第7回】
スリランカを撮る(写真家・廣津秋義)

スリランカ点描
▲かれこれ20年ぶりにこの人と再会した。キャンディマーケットの2階、衣服屋の前で昔からミシンを踏んでいる。無口ではないがおしゃべりでもない。適度のユーモアのある人だ。しかし、私とことばをかわす間も、縫いものに目を注ぎ、ミシンは動いていた。40年ここで働いているという。文字通り、手に職がある人なのだ。20年前の彼も今そっくりに、おだやかに仕事をしていた。使いこなした手動ミシンが輝いてみえる。(撮影2017年12年28日)
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廣津秋義(ひろつあきよし)
写真家。1952年熊本県生まれ。同志社大学文学部卒業。大村次郷に師事。著書に『アジア民俗写真叢書8カルカッタ』(平河出版社・1992年)、『うたごえがきこえる街、カルカッタ』(草土文化・1997年)、『スリランカ古都の群像』(南船北馬舎・2010年)など。スリランカ、キャンディ在住。

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