【第7回】
アジア:芸能ニュース
 年くらい前に世界中でブレークした映画「タイタニック」は日本でも話題になった。バックパッカーはすぐにピンときたと思うんだけど、映画の中の三等クラスってドミトリーでしたよね。二段ベットがいくつか置いてあってさ。よく利用する安宿ですね。
 バンコクでタイ人と遊びに行くときにタイタニックを見に行きたいというリクエストがあったり、時期は違ってもそれぞれの国でかなり話題になっていたはずだ。旅行中にもタイタニックの凄さを何度か見せつけられた。
 一番印象に残っているのが中央アジア諸国で映画の主題歌がBGMのように街に流れていたことだ。ちょっと大げさかもしれないけど、中央アジアでのテーマ曲みたいになっていて、今でもタイタニックという言葉を聞くと中央アジアを思い出し、セリーヌ・ディオンの歌を聞くとウズベキスタンのブハラという街を思い出す。街の通りにはずらーっとポストカードやポスターが売られていたり、乗り合いタクシーで山を越えるときに立ち寄った山間のとても小さな食堂を兼ねた家にもタイタニックのポスターが貼られていた。たぶんこの家には電気も水道もない、でもポスターはしっかり貼られていることに驚いた。トルクメニスタンからの国際列車の中ではタイタニックのトランプでゲームをしていた。缶入りウオッカを飲みながら何人かでプレーしている。カード一枚ずつに漢字が4文字くらいで書かれていたのできっと漢字でタイタニックと書いてあったんだと思う。ということは中国製のものだろう。「タイタニック」もシルクロードを通っていたんだね。トランプというのが何か中国っぽくて笑える。
 タイタニックのタバコが売られていた国もある。ベトナムでは子供が売りにくるタバコの中にブルーのボックスで写真がプリントしてある。これが日本なら「タイタニックふりかけ」(カード付き)とか作りそうでしょ。その国ではビデオもレンタルしていて、中には映画館に行った人がビデオカメラを持ち込み、それでスクリーンを写してダビングしたものがたまに出回っている。それを見た人によると画面の下の方に人の頭だと思われる黒いものが写っていたという。これも凄くベトナムっぽいと思うんだけど。
 その国らしさでブームというのは街の人に伝わっているみたいで、ちなみに中東ではイヤらしいシーンはカットされていたらしい。
 ではアジアで知られている日本の芸能は何だろう? マンガやタレントも今では有名になっているけど老若男女、世代を越えて知られているのが「おしん」だろう。アジア、中東、北アフリカ、キューバなどで放映されていた。映画とドラマは違うんだろうけど「おしん」のトランプやタバコは売られていたのであろうか? でも「おしん」を見て涙を流し、あの勤勉さと苦労する姿に感動しながらも、「おしんグッズ」で何か一発当ててやろうなどと思うのも少し変な気もする。おしんスピリットに反するよね。
 残念ながらアフリカではタイタニックの話は聞かなかったけど、カンフー映画などが上映されていた。アジア人といえば、カンフーや空手のイメージが強いみたい。
 全世界を通して有名な人の名前を投票したらきっと映画スターとしてはレオナルド・ディカプリオよりもブルース・リーの方が有名だと思う。そして世界で一番有名な人は誰か? それはアメリカの大統領よりも有名な人なんだろうな。ベートーベンか?モハメド・アリか?ビートルズか? 私の勝手な推測では「マラドーナ」だと思うんだけど。だってサッカーは永遠のブームみたいなものでしょ。
 はアジアではないけど、ハンガリーの映画館でタイタニックを見た。オペラの一番安い席の2倍近くする値段を払った。あのラブストーリーを見た後、なんとなく安宿(三等クラス)に帰る気がせず、マックで時間をつぶした。そこで女3人、映画についての討論会となり、最終的に3人が一致した感想は「めちゃくちゃ劇的な出会いが欲しい、それも今すぐに…」という事だった。ここはヨーロッパ、歴史ある街ハンガリーのブダペスト。ただの出会いも素敵な出会い、いや運命の出会いに変わりそうな気がした。しかしそれはただの勘違いだと気づいた。宿では3等クラス流の大宴会が毎日続き、私もこのスタイルを気に入っていた。いつか「逆タイタニック」を狙うぞ!と心に決め、次の旅行は絶対「船旅」にしようと誓った。
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